「絵に描いた餅」前区長が訴える実態とのギャップ

地震前はヘリポートとして想定されていたグラウンドに案内してくれたのは能登半島地震のときに区長を務めていた能崎亮一さん。

前区長・能崎亮一さん「(ヘリは)無理ですね。(避難者の)車が全部ここに、100台近くいたので。絵に描いた餅のような訓練やっていても(実態と)全くギャップがあるから、自分の判断で動くしかない」

地震後、避難所で指揮を執った経験から、バスでの避難にも疑問を呈します。

前区長・能崎亮一さん「事故があって放射能漏れたところに、バス何台も運転手さんが手あげていきます?わたしそれすらね、疑問なんです。たぶん福浦の地区の人たちは全員自分で逃げると思う」

能崎さんはより実践的な訓練となるよう「もっと住民の声に耳を傾けるべき」だと訴えます。

能崎亮一さん「県なり国なりが避難訓練を作っていくのではなくて、地元からこういうふうにしてほしいという声を吸いあげて作ってもらって訓練をする。そうでないと実態に即したものができない」

2024年の地震でさまざまな課題が浮き彫りとなった原発近くに暮らす住民の避難。県は、市や町の職員と相談しながら地区ごとに代替ルートを決めて避難経路の複線化を進めています。