みんな等しく出された給食を食べるか、弁当を持ってきたりランチ給食を注文したりする“選択式”か―。それぞれメリットデメリットがある2つの制度。中学校の給食のあり方をめぐり福岡県大野城市の市議会で13日一般質問が行われ、紛糾する場面も見られました。
◆弁当持参が65%、生徒の好みに合わせられるメリット
大野城市議会の一般質問で市議と市長が真っ向から対立しました。
大野城市・松崎正和市議
「すべての生徒が同じものを食べられるような学校給食を実施するように努めなさい」
大野城市・井本宗司市長
「選択方式による中学校給食は直近の中学生の食事に関するアンケート調査でも最も多くの支持を得ており子供たちの希望に沿ったものと言えます」

大野城市の中学校では井本市長が初当選した2005年の10月から「給食選択制度」が導入されています。これは、お昼に何を食べるかを当日の朝に選択できる制度です。市の調査によると弁当を持参する生徒が64.8%、1食250円のランチ給食を注文する生徒は23.7%、パンを購入する生徒が11.5%です。選択制度には生徒の体調や好みなどに合わせられるメリットがありますが、全員に同じ食事を提供するのが望ましいと考える保護者もいます。
◆なぜ20年前の制度にこだわる?「当時の熟慮の結果は今も重い」
松崎市議
「なぜ大野城市は20年近く前にはじまった選択制給食にこだわるのか、どうしても理解ができません」
井本市長
「熟慮の結果で示された方向性は年月を経た今日においても大変重く受け止められなければなりませんむしろ多様化する市民ニーズへの対応やさまざまな家庭環境への配慮。今の時代に見合っているものです」
松崎市議
「今の時代と20年前とはまったく変わって今なら選択制度が適当だなんて結論は出さないと思いますよ。議会が言ったからなんて二度と言わないように、違うんです20年前と」

◆福岡県では少数派の「選択制」60分の6
議会を傍聴した人:
食べずに牛乳だけで過ごしている子もいるとか、自宅が忙しくてお弁当を作れないとかちゃんと大人が環境を整備してあげないといけないんじゃないかな
議会を傍聴した人:
娘が朝から晩まで働いて、それに朝から弁当でしょ、とてもくたびれてて・・・(中学生?)そうです。下もまだいるから全員制にしてほしいです

福岡県内の公立中学校で「給食選択制度」を実施しているのは県内60市町村のうち大野城市や春日市、久山町など6つの自治体です。このうち、太宰府市は再来年1月から全員制の完全給食をはじめる予定で、西日本を中心に給食事業を手がける「日米クック」と5年間で7億6428万円の業務委託契約を結んでいます。














