中国が計算した「日本の反応」
この「手をポケットに突っ込む」映像や写真は、中国の国営メディアが撮影し、中国国内、そして日本を含む海外へ配信したものです。国営メディアのワンショットには、国家の意図や狙いが十分に込められていると考えられます。
写真の中には、日本の局長が頭を下げ、中国の局長に「お話を伺う」ようにも思えるカットもありました。これは協議を終え、日本の局長が去ろうとする場面のものです。日本の局長は、通訳の担当官が訳した日本語をしっかり聞き取ろうとして、頭を下げ、耳を近づけるように、前かがみになっています。その一瞬を、いわゆる「切り取られ」たのが、真相ではないでしょうか。
中国の狙いは、国内向けに「主導権は我々にある」とアピールすると共に、日本側に対して「わが国の固有の領土である台湾の問題に、日本の新しい総理が騒ぎ立てている。お灸を据えてやった」という意図を示すことでしょう。職位は同じでも、日本の局長を「軽く扱ってもよい」という姿勢が見て取れます。
さらに、中国は日本人の反応も計算しているはずです。日本人一人ひとりに、発端となった「台湾問題では絶対に譲歩はあり得ない。容認できない」という習近平主席の強い姿勢を確固たるメッセージとして送り付けているのです。














