「大学を出て、一流企業に就職しなさい」――このような言葉を親から言われた経験がある人は多いのではないでしょうか。日本では長らく、ホワイトカラーが高収入という固定観念が根付いていました。しかし近年、アメリカの若者の間でブルーカラー職種が人気を集めているというニュースが話題になっています。
特にZ世代の間で「ブルーカラービリオネア」という言葉が注目されており、AIの発展によってホワイトカラーの仕事が減少する一方で、手に職のある人たちが高収入を得る時代が到来しているとされています。この現象は本当なのでしょうか?また、AIの時代にホワイトカラーはどのような道を選ぶべきなのでしょうか。
(TBS Podcast『コムギコ:資本主義をハックしろ!!』2025年11月14日配信『「ブルーカラーは稼げる」は本当か?AI時代のホワイトカラーは”ひとりユニコーン”を目指そう』より)
人気インフルエンサーになる電気技師
ブルーカラーとは、工場や建設現場などで働く人々が、汚れが目立ちにくく丈夫な「青い襟(Blue Collar)」の作業服を着ていたことに由来する言葉で、主に肉体労働に従事する労働者を指します。
最近人気を集めているのは、電気システムの設置、保守、修理を現場で行う「電気技師」などの職種です。アメリカ・ニューヨーク在住の電気技師、レクシス・ツマクアブルーさんは、Z世代に人気のインフルエンサーとして知られています。TikTokで110万人のフォロワーを持ち、電柱に登って仕事をする日常の様子を流行りの音楽に乗せて投稿しています。
彼女の動画は数百万回も再生され、Z世代がブルーカラーの職種に憧れる要因となっています。工具メーカーや作業服のブランドとも契約を結んでおり、2024年時点で年間約3100万円のスポンサー収入を得ているとのことです。
一方、ホワイトカラーは、スーツやジャケットの下に「白い襟」のワイシャツを着て、オフィスで働く姿が由来となっており、主に知的労働や事務労働に従事する労働者を指します。しかし、パソコンのキーボードを叩いたり、クライアントにプレゼンテーションをしたりする姿は、レクシス・ツマクアブルーさんがTikTokで話題となったような仕事に比べて、機密事項もあるので勝手にSNS投稿出来ませんし視覚的に地味で魅力が伝わりにくいという側面があります。














