25日午後6時1分ごろ、熊本県で最大震度5強を観測する強い地震がありました。気象庁によりますと、震源地は熊本県阿蘇地方で、震源の深さはおよそ10km、地震の規模を示すマグニチュードは5.7と推定されます。

地震の専門家に、今回の地震の詳細を聞いてみました。

九州の地形と地下から上がる熱水による地震の可能性

井上キャスター:
東京大学・地震研究所の笠原順三名誉教授にうかがいます。

情報がまだ少ないのですが、熊本・産山村で最大震度5強を観測しました。震源は熊本県阿蘇地方で、深さは約10km。
こういったところから、考えられることを聞かせてください。

東京大学・地震研究所 笠原順三 名誉教授:
その周辺(震源である熊本県阿蘇地方)は元々、地下から熱い水(熱水)が上がってきており、例えば温泉、あるいは地熱で上がってきたものを利用した地熱発電所など、そういったものがあるということ。

もう1つは、阿蘇に近いこともあり、地下からかなりの流体が上がってきている。「別府-島原地溝帯」という南北に引っ張るような割れ目があり、その地下から熱水が上がってくることによって、熊本地震も、こういった熱水の活動に関係したものではないでしょうか。

井上キャスター:
温泉や地熱発電所がこの辺りにあるから、それが要因の1つではないかと考えていいですか。

東京大学・地震研究所 笠原順三 名誉教授:
地下から熱水が上がってきて、それによって地震が起きたということです。

井上キャスター:
「流体が上がってきている」という言葉がありました。そこをもう少し詳しく伺ってもいいでしょうか。

東京大学・地震研究所 笠原順三 名誉教授:
別府から島原にかけての地下に溝があり、落ち込んでいるのです。その落ち込んでいるところで、九州が南北に引っ張られています。そういうところには、地下からの熱い水が上がってきている。

今回の場所でも、そういう熱い水が上がってきていて、今回の地震が起きたんだろうと思います。