全国でクマによる被害が相次ぐ中、11月23日、静岡市葵区の住宅街の近くでもクマの目撃情報がありました。もしも、クマと遭遇してしまったら、重要なポイントは"走って逃げないこと"です。
<荻野旦記者>
「静岡市葵区瀬名の閑静な住宅街です。近くにある山で、クマの目撃情報があったということです」
11月23日午後1時頃、静岡市葵区瀬名の山の斜面で住人が1頭のクマを目撃したということです。目撃されたクマは子グマとみられていて、斜面を上がり、竹やぶの中に消えていったといいます。
その後、市の職員と警察が周辺を調べましたがクマの姿はなく、現時点で人的被害は確認されていません。
<住民>
「この辺元々農村だったので、サル、タヌキは見たと祖母から聞いています」
Q. クマは?
「聞いたことなかったです」
Q. 今回が初めて?
「近くまで来ているというので怖い」
近隣の大学では、学生に対し単独での行動は控えるよう呼びかけをしたほか、ドアを自動で開かないように設定するなどの対策を行ったということです。
県の担当者によりますと葵区瀬名の周辺ではこれまでにも数件、クマの目撃情報があったといいます。
<県自然保護課 小澤真典さん>
「これまでも山の際あたり、特に瀬名のあたりだと目撃情報がいくつかありますので、その付近まで来る可能性があります。ただ秋田県や岩手県のように市街地に出てきているという状況ではないので、そこは必要以上に心配なさらない形で、正しい情報を見ていただければ」

県内では2025年に入り、137件のクマの目撃情報があり、最多を記録した2024年を上回るペースだといいます。クマが市街地に来ないようにするために、柿の木など誘い入れる原因となるものを除去する対策が効果的だということです。

<小澤さん>
「これから紅葉のシーズンで山に入る方いらっしゃると思いますが、県のホームページでもクマの目撃情報を表示していますので、参考にしていただいて、安全対策をとっていただければ」
クマをめぐり、2025年は全国各地でかつてない事態が起きています。人的な被害が出ていない静岡県でも正しい情報に耳を傾け、警戒心を持つことが重要です。
県自然保護課の小澤さんによりますと、クマに遭遇しないためには、鈴を身に着けることが効果的だということです。またクマには、逃げるものを追う習性があるため、万が一見かけた場合や遭遇した際は背を向けずにゆっくり後ずさりをして、走って逃げないことが重要です。














