保護犬から聴導犬へ 災害から命を守る役割も
聴覚障害者は全国に約31万人いるとされていますが、聴導犬の数はわずか50頭ほど。普及が進んでいないのが現状です。

聴導犬の育成を行う都内の施設。聴導犬は犬種に決まりがなく、日本聴導犬協会では候補犬の8割が保護犬です。
ここで訓練にはげむ、3歳のはじめ(オス)。妊娠中に保護された母親のもとで生まれ、この団体が引き取りました。
日本聴導犬協会 有馬もと 会長
「一番はじめの不幸な姿を知っていますので、幸せになってくれたら私どもも幸せなので、それが私どもの願いになります」

日本聴導犬協会の訓練では、目覚まし時計や火災報知機の音、赤ちゃんの泣き声などを知らせることを覚えていきます。
そして、災害のときにも大切な役割があるといいます。

窓ガラスをノックする音に反応するはじめ。これは近所の人が避難を呼びかけに来た場面を想定したものです。
東日本大震災では、防災無線などが聞こえず、多くの聴覚障害者が命を落としました。
日本聴導犬協会 有馬もと 会長
「東日本大震災時は、近所の人が助けようとしてもできなかったが、どこでもいいからノックしてくださると、この子たちが教えてくれますので」
聴導犬の仕事は命を守ることにも直結しています。














