遺族を襲う二次被害の現実
しかし...事故の報道が始まると、深迫さん一家には様々な「二次被害」が降りかかりました。
深迫祥子さん
「近所の人からは、『わざわざ東京に行って死にに行ったようなもんですね』と言われました。区長は『息子さんは東京の人ですよね。なんでわざわざ熊本の周りの人に知らせなければいけないんですか』と葬儀の告知を拒みました」
忍さんが住んでいた部屋を管理する不動産会社からは、「後追い自殺をされたら借り手がなくなる」という理由で、1か月以内の退去を要求されました。
「もし、あなたがいなくて、彼女さんが家に上がってきて、ここで自殺されたら困るでしょ?」という言葉に、深迫さんは「私は犯罪者でも何でもないんですよ。なんで私が出ていかなければいけないんですか?」と抗議しました。
民事裁判では、相手方の弁護士から忍さんの価値について問われました。
「この忍という息子さんに、ここまでの高い金額は見合っているのか、高すぎるんじゃないか」
「忍さんに価値があるのか」
「コーヒーをいれるだけの仕事に価値があるのか」
同じ遺族からも心ない言葉を浴びせられました。
「あなたは交通遺族ね、交通遺族はいいですよね。賠償金が入るから。保険会社があるでしょう」
「私たちは損害賠償金をもらってないんだよ。あんたたちはいいよ、損害賠償金があるから」














