息子の思いを継いだコーヒーショップを開店
四十九日の法要の際、深迫さんは仏壇の前で忍さんの写真を見ながらつぶやきました。
「あなたは29年しか生きていけなかったのよね。何がしたかったんだろうな」
その時、忍さんがやりたがっていたことを全部聞いていたことを思い出しました。
忍さんが店の設計を依頼していた設計事務所に電話をかけ、「息子は天国に行ったんですけど、続きは私がやりますので、お願いです。お店を建ててください」と依頼しました。
夫も公務員の再任用の話を断り、忍さんの代わりにバリスタとしてコーヒーをいれることを決めました。
深迫祥子さん
「忍はもうお店もできなくなったし、コーヒーもいれることができないから、あなたが忍の代わりにいれていったらいい」
2020年5月7日、忍さんの誕生日に「Calmest Coffee Shop」がオープンしました。忍さんが亡くなる3週間前に語っていた、「ホスピスにコーヒーをいれに行く」という願いも、母親の祥子さんが引き継ぎました。














