「スポーツ」と「はたらく」をテーマにしたイベントが20日、都内で行われ、プロ野球・ロッテの元監督・井口資仁さん(50)、サッカー元日本代表の播戸竜二さん(46)、リオ五輪レスリング女子48kg級の金メダリスト・登坂絵莉さん(32)が登壇。キャリアの在り方に関するディスカッションでは、登坂さんが女性アスリートならではの当時の悩みを明かした。

2016年のリオ五輪で金メダルを獲得後、東京五輪を目指していた登坂さん。しかし代表選考会で敗れて五輪連覇の夢がついえたことで、自身のキャリアに真剣に向き合ったという。

「やろうと思えば4年(次のパリ五輪まで)できた。一方で、結婚して子どもが欲しいという思いが強かったので、現役を4年続けるのか、女性としてのキャリアを優先するのか」。悩んだ末に「まずは女性としてのキャリアを優先して、そのあとに選手としてのキャリアを決めようと決断しました」。

その後は、結婚・出産を経て、現在は女性アスリートのセカンドキャリア支援など、スポーツを通じた社会貢献に尽力。現役を引退し、新たな道を進んでいる。

登坂さん

登坂さんは「女性はライフステージによって環境が変わってくるので選択肢がより狭まるタイミングもあるのかな」と語る。「現役引退後に自分たちがやってきたことを活かせる場がないかたが多かった気がします。やりたいこと、何ができるかがなかなか見えないなかで、次へのスタートが遅れてしまう。現役時代にもう少しクリアに見えていると次へのスタートも切りやすいのかなと思っています」。結果を求め「ひとつのことに集中するのが良しとされる世界」がゆえに生じる、セカンドキャリアについての課題を提起した。

※トップの写真は左から登坂さん、播戸さん、井口さん