安倍元総理銃撃事件の裁判は大詰めを迎えています。きょうから始まった被告人質問で、山上被告は「母の信仰が事件の理由」と述べました。

山上徹也被告(45)は3年前、奈良市で安倍晋三元総理を手製の銃で殺害したなどの罪に問われています。

これまでの裁判で、山上被告は起訴内容を認め、弁護側は不遇な生い立ちが事件の動機に大きく影響していると主張。法廷には山上被告の母親や妹も証人として出廷し、母親が子どもをほったらかしで、旧統一教会への多額の献金にのめり込んで破産するなど、家庭が崩壊していく様子を証言しました。

そして、きょう始まった被告人質問。長く伸びた白髪交じりの髪を結び、証言台へと向かった山上被告。弁護人からの質問に、ゆっくりと落ち着いた口調で答えました。

弁護士
「45歳まで生きていると思っていましたか?」

山上徹也 被告
「生きているべきではなかったです」

弁護士
「なぜですか?」

山上徹也 被告
「このような結果になってしまい、大変ご迷惑をおかけしておりますので」

そして、母親については…

弁護士
「入信したことは、どう思っていますか?」

山上徹也 被告
「あれほど多額の献金をしなければ、それでよかった」

弁護士
「(母親が)証人として裁判所に来たことについては?」

山上徹也 被告
「非常につらい立場に立たせてしまったと思う」

弁護士
「なぜですか?」

山上徹也 被告
「母の信仰を理由に私が事件を起こした。責任を母が感じるところもあるから」

母親の旧統一教会への信仰が事件を起こした理由だと、はっきりと述べた山上被告。被告人質問は、きょうを含め5回開かれる予定で、安倍元総理を銃撃するに至った理由をどのように説明するのかが注目されます。