日中関係に緊張が高まる中、中国政府が呼びかけた日本への渡航自粛が、北海道の観光業に影響し始めています。

2024年1月にオープンした札幌市中央区のSAPPORO STREAM HOTEL(サッポロ ストリームホテル)です。

ススキノの中心部という便利な立地も手伝って、宿泊客の7割ほどが外国人。そのうち中国人観光客は1か月に3000人ほどが利用しますが…。

SAPPORO STREAM HOTEL 神谷亮佑 宿泊マネージャー
「マイナス12ルーム。マイナス20ルームとマイナスが出てしまっている旅行会社がある。新規の予約よりもキャンセルが上回ってしまっているということ」

高市総理大臣の国会発言を受けて、中国政府は、中国国民に対し日本への渡航自粛を要請しました。

このホテルでは、19日までに40室ほどの予約キャンセルがあり、その損失は約80万円に上ると言います。

神谷亮佑宿泊マネージャーは、今の時点での影響は限定的としつつも、2026年の春節や雪まつりのかきいれどきまで影響が長引かないか心配しています。

SAPPORO STREAM HOTEL 神谷亮佑 宿泊マネージャー
「これからオンシーズンに入る。中国人が来ないと、ホテルとしてはインパクトが出てくる。長引くようであれば日本人向けのプロモーションを検討する」

渡航自粛や日本産水産物の輸入停止を受けて、北海道は20日、緊急で対策を話し合いました。

北海道総合政策部 青山大介 政策局長
「観光や航空など一部の分野でキャンセルなどの影響が出始めている。引き続き注視し必要な対応を検討していく」

長期化の様相も見える日中の緊張が、北海道の経済に影を落としつつあります。