高気密な住宅が増え むしろ小型のマルカメムシが侵入しやすい構造に

(東洋産業 大野竜徳さん)
「近年、都市緑化やクズなどの勢力拡大、高気密住宅の普及とともにカメムシの侵入パターンが変化しています。

高気密な中で、通気層や換気経路を複雑化し、カメムシの侵入ポイントが、細く長くなった結果、大型のカメムシでなく、むしろ小型のマルカメムシが侵入しやすい構造が増えています。

たくさんいて、あんなに臭くてほかの生き物にも嫌われそうなマルカメムシ。それでも彼らにとって、越冬は命がけです。

一生を通じて、アリやクモ、そのほかの昆虫にエサとして狙われやすいため、集団で生活し、冬は天敵除けと春の繁殖の際にパートナーが近くにいるメリットからも大きな集団を作ろうとしています。

越冬中の成虫は省エネモードでほぼ動かないのですが、残念ながら私たちのおうちに来てしまったマルカメムシはうっすら暖かくなると、冬に突然カーテンの裏から『もう春かな?』と出てきてしまうかもしれません。

こうしてまだ冬なのに目覚めたカメムシはエネルギーを使ってしまって春を迎えられずに死んでしまうものも多くいます。

できれば、冬に出てきたカメムシを慌てて駆除するよりも、今のうちに冬越しをさせない、おうちに入らせないように対策をしておくのは、彼らに対しても、私たちにとっても優しい対策なのかもしれませんね」

マルカメムシの生態については【前編】にまとめています。

アスファルトに小さなシミを見つけたら「マルカメムシ!?」見覚えのある「小いけれど臭い」カメムシ「その生態は?」【前編】