北陸銀行は19日、北陸銀行の行員を装った電話、いわゆる「ボイスフィッシング」による不正送金の被害が確認されたとして、法人向けのインターネットバンキングによる振込を停止したと発表しました。

「ボイスフィッシング」で狙われた企業は、富山県や石川県の企業で、一部では不正な送金による被害があったということです。

北陸銀行によりますと「ボイスフィッシング」の手口は次の通りです。

▼北陸銀行からの電話を装い、取引先の企業などに自動音声で連絡し、情報を聞き出す。

▼その後、行員を装った人物に切り替わり「メールを送りたい」として被害者のメールアドレスを聞き出す。

▼聞き出したアドレス宛てにメールを送りフィッシングサイトに誘導。そこで、北陸銀行のインターネットバンキングの契約者情報やパスワードなどを盗み取る。

北陸銀行によりますと、19日、富山県、石川県の企業から「北陸銀行の行員を名乗った不審な電話があった」との問い合わせが複数寄せられたことで発覚しました。顧客情報の漏えいなどは確認されていないということです。

不審な電話は少なくとも数十件確認されていて、一部の企業では契約者情報やパスワードを教えたことにより、送金被害が確認されたとしています。

北陸銀行はこうした被害の規模を公表していませんが、法人向けのインターネットバンキングによる振込サービスを停止しています。

北陸銀行は「銀行から電話やメールなどで契約番号やパスワードなど個人情報を問い合わせることは一切ありません」としていて、知らない電話番号や国際電話(+ではじまる電話番号など)からの電話があった際は、銀行の各支店や問い合わせ窓口で確認してほしいとするなど注意を呼びかけています。