「サッカーは好きだけど、戻るのはしんどい」
所属したニッパツ横浜FCシーガルズは、なでしこリーグのチーム。熊倉さんは社会人として働きながら、レベルの高い環境で戦い続けた2年間を過ごしました。
その中で、熊倉さんの心と身体は限界を迎えます。きっかけは、オーバートレーニング症候群でした。
「前は怪我してもすぐ戻りたいと思っていたけど、そのときは『サッカーは好きだけど、戻るのはしんどい』と感じていました」
熊倉さんは、無意識のうちに「ようやく休めた」と感じていたのではないかと話します。
そして、頭の中では引退という選択肢を避け続けていたなかで、自分の心に正直になったとき、「サッカーをやりたい気持ちが以前よりも少なかった」という素直な感情が溢れたのです。

「引退を決めた瞬間、めちゃめちゃ心が軽くなりました」
思い返せば、今まで親から大好きなサッカーを好きなように、自由にやらせてもらってきた熊倉さん。自分がやりたくて続けてきたサッカーだからこそ、最終的には自分の気持ちを優先できたのです。後悔は全くありませんでした。
「いつかは辞めるサッカーだったから、それが一昨年だったんだ」
彼女の幕引きは潔いものでした。














