12月11日、日本の民間企業ispace(アイスペース)が開発した月面着陸船の打ち上げが成功しました。民間による宇宙ステーションの建設計画から宇宙にお寺を作る構想まで加速する「宇宙ビジネス」に迫ります。

■目指すのは「月に生活圏をつくること」 民間初の月面着陸へ

手を合わせてその時を待ちます。

打ち上げ(日本時間12月11日 午後4時38分ごろ)
「3.2.1 ゴー」

記者
「日本の民間企業が宇宙への新たな扉を開きます。ispaceの月面着陸船、月に向かって出発です」

アメリカ・フロリダ州から、11日に打ち上げられた「スペースX」社のロケット。そこに載せられているのが、日本の宇宙ベンチャー企業「ispace」が開発した「月面着陸船」です。

打ち上げから46分後、着陸船はロケットから切り離されました。

都内でライブ映像を見守っていた、ispace社員の家族などからは歓声が上がりました。

そして、着陸船と地上管制室との通信も確立され、打ち上げは成功しました。

着陸船は、一旦、月を通り越し、約150万キロの地点まで飛びます。その後、月への軌道に入ることで、燃料を大幅に節約することが出来るということです。約5か月後に月面に着陸させる計画です。

着陸船は脚を広げた状態で幅が2.6メートル、高さ2.3メートル。今回はJAXAが開発した月面探査ロボットや、UAEの探査機などを輸送します。

月への輸送をビジネスとして確立することを目指しているispace。月面着陸が成功すれば
民間企業としては、世界初の快挙となります。

ispace 袴田武史CEO
「宇宙ベンチャーとして新たなステージに立てたかなと。月への着陸をしっかりと目指していきたい」

現地で打ち上げを見守った、ispaceの袴田武史CEO。

目指すのは「月に生活圏をつくる」ことです。2040年代には月面に1000人が住み、年間1万人が地球との間を行き来する時代になると未来像を描きます。

袴田CEO
「継続的に輸送サービス、月のミッションですね、政府とか民間の顧客に提供できるようにしていきたいと思っています」