2025年平地でのクマの目撃が多い要因は2つ

Q.2025年出没が多い要因は?
 この時期のクマはすぐ冬眠をするんですけど、冬眠中、飲まず食わずで過ごすのですが、冬眠にはそれなりのエネルギーは必要ですので、その分のエネルギーを秋の間にたくさん食べ蓄えて脂肪として体に蓄え冬眠に向かいます。秋のクマの主食はドングリなのですが、ドングリは凶作と豊作を毎年交互に繰り返すのですが、恐らく今年は全国的に、森の中に何種類かのドングリが軒並み凶作になっていると考えられます。
 そうするとクマは、普段行動している範囲では食べ物が十分に確保できないので、行動する範囲を広げていると思われます。

 あともうひとつ、40年ぐらいの長いスパンで見た時、クマの生息域が拡大しているんですね。大体、この40年で2倍ぐらいに分布域が拡大しています。
 昔は山奥にクマがいて、平地には人が住んでいて、里山では人は耕作をすることで、里山がクマと人を隔てる緩衝地帯の役割を果たしていたんですけれども、今どんどん人が里山から撤退して都市へみんな移動していますね。そうすると徐々に里山や平地へおりてくるようになります。
 そこに、2025年のようなドングリの実の生りが非常に悪いという条件が重なって、その変化がダイレクトに目に見えるようになってきたっていうのが2025年なんだと思います。