今後、冬眠しない個体が増える可能性も

Q.静岡のクマも冬眠する?
 はい。日本にいるクマは全国どこでも冬眠します。各地域の気候や個体によって期間の差はあるが、静岡にいるクマも冬眠します。
 ただ、冬眠は寒いからするのではなくて、エサがない時期をどうやってやり過ごすかという中で編み出された戦略なんですね。そのため、集落の中にカキがたくさんあったりすると、いつまでもクマからすると食べられるんですよね。動物園のクマが冬眠しないのがその理由です。このクマが人里に来てエサを食べる現在の状況が続けば、冬眠が遅れたりしなくなったりするクマが出る可能性はありますね。もちろん、静岡のクマも例外ではありません。

Q.クマに遭遇しないためには?
 クマは聴覚も嗅覚も非常に良いので、やっぱり山に入る場合は、鈴やラジオを持ったり声を出して手を叩いたりしてこちらの存在をアピールしていくことが大事。そうすれば、クマの方が先に人間の存在に気付いて立ち去ってくれますので、常にこちらの存在をアピールし続けるということが大事ですね。
 もう一つは、やはり人間の活動域にクマを出さないように気を付けるということが大事。よく言われるのが、集落の中にあるもう今は人がいなくて食べないようなカキとかクリとかは、動物からすると非常に魅力的な存在ですので、早く収穫しちゃうかもう食べないのであれば木を切ってしまうことも必要です。

Q.静岡は山と里の境目に果樹園が多いですが?
 静岡ではミカン畑だったりとかも、以前は何も対策していなくても良かったかもしれないが、やはりもう熊が来るかもしれない。ちゃんと電気柵を張るなどの対策をして動物を近づけない食べさせないようにしていくことが必要ですね。