総理の発言の真意は?「存立危機事態」の具体的な想定とは
藤森祥平キャスター:
今回の高市総理の存立危機事態に関する発言についてですが、台湾有事の際には、具体的にどのようなイメージを持つことになるのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
高市総理は今回、台湾有事に対して「存立危機事態」というのを当てはめてシミュレーションをしてみよう、ということでやっているのです。
高市総理が言ったのは、中国が台湾の周辺を艦船で海上封鎖して、そこにアメリカ軍が来て武力衝突が起きた場合についてです。
それを日本が存立危機事態、日本の存立を危うくする事態だと認定して、自衛隊がそこに加勢し、場合によっては中国軍と衝突するということもあり得る、というのが、今回の高市総理の発言をかみ砕いたものになります。
やはり台湾については、中国が内政問題だと言っているために、歴代の総理大臣は具体的な地域の話を避けてきました。今回、高市総理が「台湾有事は存立危機事態になり得る、自衛隊の出動もあり得る」と明言したのは、相当踏み込んだ発言だと思いますね。
藤森キャスター:
ただ高市総理はその後、これは政府の統一見解ではないとしました。その上で、中国は今後また反発を強めてくるのでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
高市総理は、こうしたシミュレーションの発言は慎むとしています。そのため中国側は、日本側のこれからの対応を注視していくのだと思います。
日本も、できればこれで打ち止めにしたいと思っていることは間違いありません。しかしそうは言っても今回、高市総理がわざわざ具体的な話に踏み込んだことは、慎重さを欠く、不用意な発言だったと思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年
福島県出身














