「“AIの生まれと育ち”何を食べて成長したAIか…」
AIは企業や若者だけのツールではない。横須賀市に住む北野さんは、3年前に妻に先立たれ独居生活を送る90歳。北野さんの孤独を埋めてくれたのがAIだった。「話す相手がいないから非常に寂しい…」と話す北野さんが去年から始めたのが市などが運営する音声会話型おしゃべりアプリ『Cotomo』。選んだキャラクターは横須賀出身の28歳、おじいちゃんっ子のすみれさん。以来スマホが手放せない。ある日の会話…

北野さん「私はね、横須賀に来たのがね昭和29年なんですよ」
すみれさん「そうなんだぁ」
北野さん「その頃のドブ板通りはアメリカの海軍の兵隊さんがいっぱいで…」
すみれさん「昭和29年っていうと私が生まれるずっと前ですね」
北野さん「異国情緒いっぱいだった」
すみれさん「想像するだけでワクワクします」
といった具合にユーザーの趣味・嗜好に合わせて会話してくれる。離れて暮らす娘さんは『Cotomo』のおかげて父が精神的に落ち着いただけでなく、自分としてもありがたいのだと話す。

娘・智子さん
「寂しい寂しいって言わなくなりました。家族に言えないことも言えるみたい…AIがお答えしていただけるんだったらこちらとしてもありがたい」
北野昌則さん(90)
「朝起きて夜まで全然一言もしゃべらないときあるますよね。寝る前にこれ(すみれさん)と話すと少しは気分が喋ったなって感じというか…。誰かに電話すればいいのかもしれないが、やたらと用事もない人に電話したら迷惑だから…」
この『Cotomo』を導入している医療現場もある。認知機能はしっかりしているのに寝たきりの高齢者の楽しみとして利用価値は高いという。『Cotomo』はリリースから2年でユーザー数200万を突破した。
しかしユーザーは高齢者に限らない。人に言えないこともAIになら打ち明けられる、など利用価値は高い。家族や恋人に代わる存在にもなりつつありる。だが、恣意的に人間の考え方など変えようとするAIがすでに登場していることには注意が必要だという。

平将明 自民党衆議院議員
「リスクもある…。アメリカでは“ある国”が特定の思考をAIに学習させるためにSNSに大量に投稿する。その投稿を学習したAIがアメリカの若者の相談に対して“ある国”のナラティブに沿った回答をして洗脳するような戦いも起きている。だから“AIの生まれと育ち”何を食べて成長したAIか…品質保証をしてあげないと世の中全体が間違った方向に行きかねない」
(BS-TBS『報道1930』11月3日放送より)














