万博への関心―始まれば増えていく
大阪・関西万博は事前の盛り上がりに欠けていたとして、始まってみたらどうだったのか。
ここで、TBS生活DATAライブラリ定例全国調査には、首都圏の回答者パネルへの定期的な追加調査があります。2024年11月実施の全国調査では、首都圏回答者の半分ほどが、万博の開催前から開催中にあたる25年2月・5月・8月の追加パネル調査にも協力(注3)。この追加パネル調査で、大阪・関西万博への関心をその都度調べ、その推移を男女別にまとめてみたところ、次の帯グラフのようになりました。

首都圏の回答ということを念頭にグラフを眺めると、万博開幕2か月前の2月時点で、男女とも8割程度が「関心なし(あまり+全く)」と回答。これでは前売り券の販売が伸びないのも致し方なし。
公式Webサイトの「おしらせ」にある公表データの筆者集計では、開幕の4月13日(日)からゴールデンウィーク直前の4月25日(金)までの13日間の、累計一般来場者数は1,039,260人、1日当たりだと79,943人。4月で1日の一般来場者数が10万人を超えたのは、初日と26日、28日の3日だけでした。
この状況が「逆に来場者の満足度を高めたと(日本国際博覧会)協会関係者はみる。協会による4月の来場者調査で、『満足』と答えた人が8割に上ったからだ。来場者らの好意的な口コミも広がり、来場者は5月以降、安定的に10万人を超えるようになった」(朝日新聞、25年10月14日、括弧内は筆者注)そうです。
なるほど、上の帯グラフでも、5月以降は関心を持つ人が増え、8月の「関心あり(非常に+やや)」は男性で3割弱(2月の1.7倍)、女性で3割強(同2.5倍)まで増加。しかし、裏を返せば、夏休みでかき入れ時の8月に、男女とも6割程度が「関心なし」層だったともいえるわけですが……。
行った人は絶賛、行かない人はお金にシビア
「百聞は一見に如かず」といいますが、万博も行ってみれば気持ちや考え方に大きな影響を受けるのかも。
追加パネル調査の集計対象753人のうち、8月調査で万博の「会場に行った」と答えた人は6%弱(42人)。この「行った人」とそうでない「その他」の人とで、万博についての意見を比較してみたのが次の棒グラフです。

すると一目瞭然、行った人の6割が「開催してよかった」、4割が「問題があっても開催する意義があった」と、その他の3倍くらい万博を絶賛。行った人の4割弱は「いつか東京でも開催してほしい」と思っていて、相当良かったのだろうと想像されるところです。
一方、その他の人の4割が「費用が高すぎる」、3割が「万博で経済的なうるおいは期待できず」と、お金の面で万博を見る目がシビア。行った人の3割が「国全体が経済的にうるおう」と考えているのとは対照的です。














