タロとジロの姿も…総勢130人とカラフト犬たちの船出
「宗谷」には53人の観測隊員(隊長:永田武)と77人の宗谷乗組員(船長:松本満次)が乗船し、22頭のカラフト犬、1匹のネコ、2羽のカナリアも同行していました。
TBSのアーカイブ映像には船の甲板で鎖に繋がれたカラフト犬が映っていました。
この中には後に有名となる「タロ」と「ジロ」も乗っています。
今回の南極観測は、国内初ということもあり、「宗谷」1隻では不安が残りました。
そのため、東京水産大学が保有する海洋調査船「海鷹丸(うみたかまる)」を改造し、随伴船として同行させました。「海鷹丸」には、52名の乗組員と27名の実習生が乗船していました。
閉鎖空間の航海を支えた南極新聞と食堂での団らん
日本を出航した「宗谷」ですが、南極まではとても長い道のりになります。
操舵室では双眼鏡で外の様子を観察している隊員に加え、舵輪(ハンドルのようなもの)を回して操縦している姿もありました。
そして、毎日発行される「南極新聞」が印刷され、刷り立ての新聞は各部屋に配達されていました。
この南極新聞には、航海中や南極での調査内容が事細かに記録され、隊員たちにとっての広報やコミュニケーションツールの役割を担っていました。
一方、食堂では隊員たちが談笑している和やかな雰囲気の映像も残されていました。
長い航海での閉鎖空間の中、このような隊員同士の食事も楽しみの一つだったのでしょう。














