■オリンピック史に残る大スキャンダル

「国家の威信」と、「巨大な利権」が絡み、大規模な汚職につながるといいます。実際、オリンピックもまた…

アメリカ・ソルトレークでの開催が決まった2002年冬季オリンピック。
しかし、その招致を巡りオリンピック史に残る大スキャンダルが起きます。
 
組織委員会が、IOCの委員に多額の金品を贈ったり、委員の息子に奨学金を出したりするなど、買収の実態が明るみに出たのです。

また2016年のブラジル・リオデジャネイロ大会では、当時のオリンピック委員会会長が、贈賄で禁錮30年の判決を言い渡されています。
 
そして2021年の東京オリンピックでも、大会組織委員会の元理事、高橋治之被告が、スポンサー選定などの契約にからみ、複数の企業から賄賂を受けていたとして、逮捕・起訴されました。

さらに、事前の「テスト大会」の入札を巡る談合事件も発覚し、現在も捜査が進められています。この談合事件について、12月5日、IOCからは…

IOC・デュビ統括部長「完全に解明されるよう、IOCをはじめ、全員が関心を持っている。どれだけの人物が関わっていたのか明確にすべきだ」

こうした中、IOCは札幌市が招致を目指す2030年冬季オリンピックについて、年内としていた候補地1本化の時期を、先送りしたのです。

中京大学・來田享子教授
「今回の東京大会、カタールのワールドカップの汚職というのは、アンフェア (不正)に作られた舞台で、選手がフェア(公正)な競技を求められている。 スポーツというのは公平で公正であるという性格がある。これをある種の隠れ蓑にして、汚職や不正が発生する所に問題がある。だからこそ、意思 決定プロセスの透明化、誰のために開催するのか明確にすること。そうすることで、大会の意味が変わってくると思う」

巨大なスポーツイベントにからむカネや利権。こうした不正をどう断ち切るかが、今、問われています

(サンデーモーニング2022年12月11日放送より)