おととし(2023年)、東京・世田谷区の認可外保育施設でうつぶせに寝かされた生後4か月の男の子が意識不明の状態で見つかり死亡した事件で、元園長らの初公判が開かれ、いずれも起訴内容を認めました。

この事件はおととし12月、世田谷区の認可外保育施設「バンビーノ」(現在閉園)で、生後4か月の男の子・真渚己ちゃんが意識不明の状態で見つかり、その後、死亡したものです。

元園長の野崎悦生被告は乳幼児の安全な寝かせ方に関する指導を怠り、元園長の息子で当時スタッフだった男性は、窒息の危険性がある「うつぶせ」の状態で真渚己ちゃんを布団に寝かせ、死亡させた罪に問われています。

きょう、東京地裁で行われた初公判で悦生被告らは起訴内容を認めました。

検察側は冒頭陳述で、真渚己ちゃんの母親が悦生被告に「うつぶせ寝で絶対に寝かせないでほしい」と要望していたのにもかかわらず、悦生被告がスタッフに周知していなかったと指摘。

事件当時、保育士資格のある悦生被告は、別の子どもの送迎のため外出していて、保育士資格のない息子とアルバイトの女性2人のみで、0歳児5人を含むあわせて9人の乳幼児の保育にあたっていたことも指摘しました。

真渚己ちゃんの遺族は初公判の後、コメントを寄せました。

※コメント全文※
「本日、第一公判に臨みました。私たちが法廷で明らかにしてほしいのは、この事故が不運ではなく、日常的に危険な保育が行われていた結果起きた、防ぐことのできた事故であることです。

被告人たちは反省や謝罪の言葉を口にしましたが、事故の根本的な原因であるうつ伏せ寝の常態化を隠そうとする姿勢に深い失望と怒りを感じました。

かけがえのない命が失われた事実を重く受け止め、被告人たちには厳正な処罰を望みます」