北陸電力の志賀原発で放射性物質を扱う「防護区域」に入る作業員に対し、警備員が実施するべき点検の一部を少なくとも11年にわたり行っていなかった問題で、対応が不十分だとして住民らの団体が5日、原子力規制庁に申し入れを行いました。

この問題は低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶を運び込むため、車両が特定核燃料物質を使用・貯蔵する設備がある「防護区域」に立ち入る際、運転手に行うべき安全対策上の点検の一部を、少なくとも11年にわたって実施していなかったものです。

5月、原子力規制庁が毎日行う「日常検査」で明らかとなりましたが、規制委員会は安全上の影響などが限定的として、志賀原発への規制措置は不要と判定しました。

5日、住民を含む4つの団体が原子力規制庁に対し事実関係を明らかにすることなどを申し入れました。

志賀原発訴訟原告団・北野進原告団長「見逃し放置してきた規制庁の責任は本当に大きいというふうに思っています。決して軽微な問題ではないと、そういう趣旨できょうは質問書を提出して意見交換させていただきました」

北陸電力によると、マニュアルに不備があったことが原因として、既に見直しを行ったということです。