■フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナル3日目(10日・日本時間、イタリア・トリノ)

GPファイナルは10日、男子シングルのフリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(24)がフリーでも貫録の演技を披露。フリーは自己ベストを更新し204.47点をマーク、合計は今季世界最高の304.46点でGPファイナル初制覇を達成した。さらに山本草太(22)はフリー自己ベストで2位に入り、日本勢がワンツーフィニッシュ。

宇野はこれまでGPファイナルは2位が最高で、今年は3月の世界選手権で初の金メダルに輝きファイナルは5度目の挑戦で初の頂点に立った。初出場の佐藤駿(18)はSP最下位から順位を上げ4位、SP3位の三浦佳生(17)は5位で終え、惜しくも日本勢史上初の表彰台独占とはならなかった。

この日、最終滑走の宇野は冒頭の4回転ループと4回転サルコウを危なげなく着氷し、4回転フリップも決めた。後半は4回転トウループからの連続ジャンプを成功させると、単独の4回転トウループはバランスを少し崩したが、終盤は情熱的な曲調に合わせたステップとスピンで観客を魅了し、難易度の高いプログラムを滑り切った。演技を終えると笑顔で声援に応えた。

優勝を決めた宇野は「今大会のフリーは皆さん本当に素晴らしい演技だったので、だからこそ緊張するのか自分がどんな気持ちで試合に挑むのか楽しみながら滑ることができた」と振り返った。

さらに「トリノに来るのは初めてなんですけど、ステファンコーチが第二の故郷と言っていました。そういう場所でこういう成績を残せたことは嬉しいですし、4年後(の五輪は)何をしてるかわからないですけど、五輪に限らずまたこの地でいい成績を残せることがコーチにとってもいいことなんじゃないかなと思うのでまた来たい」とコーチに向けて感謝の言葉を口にした。