花園への切符をかけた全国高校ラグビー新潟県大会は息をのむ展開となりました。

1日に行われた『開志国際』と『北越』との決勝は、2024年と同じ顔合わせ。
昨年覇者で5度目の花園出場を目指す開志国際と、3度目の花園出場を目指す北越。
北越は、大会直前に右目を手術したキャプテン・小林龍ノ介を欠いての戦いとなりました。

序盤、その北越を開志国際が攻め立て2トライなどで突き放す一方、北越もモールで押し込み、トライとワンゴールでくらいつきますが、開志国際が14-7とリードして前半が終了。

すると北越の増田宇宏監督が、ハーフタイムにチームを鼓舞します。

「絶対ラスト、このスコアだと15分勝負になってくる。そこで去年のように足止まったらダメ」「やるぞこの30分!ミスしてもいいから下向くな。だったらタックルで取り返せ!」「この30分な、これ人生かかってるからな」「このために1年間やってきたんだ。このために3年間やってきたんだ。気持ちで行くぞ。絶対勝つぞ!!」

しかし、後半も開志国際ペースで試合は進み、このまま開志が押し切るかと思われましたが…。

【北越高校 1年生 中村天星選手】
「フォワードでチーム一丸となって、押し切ることができたので、とても良いトライだったと思っています」

終盤に、増田監督の言葉通り、北越が流れをつかみます。

ナンバーエイトの1年生中村天星が後半25分にトライを決めると、同じく1年生の新井匠朗がトライ後のコンバージョンキックを成功させて同点に!

そして、ロスタイム…。

開志国際が北越のモールを故意に崩そうとする「コラプシング」という反則で、北越はペナルティゴールのチャンスを掴みました。

決めれば勝ち越しの大事な場面で、キッカーを託されたのはまたしても1年の新井!

【北越高校 1年生 新井匠朗選手】
「キャプテンの龍ノ介さんを花園に戻すっていう自分の中での目標があったので、それを心で思い浮かべながら」

ペナルティゴール3点を決め、17-14の大逆転で、北越が2年ぶり3度目の花園出場を決めました。

【北越高校 増田宇宏監督】
「3年生が本当に一生懸命頑張ってタックルいってくれて、そこに1、2年生が負けじとついていったところが1番の勝因」「今後、新潟県の代表として、より成長しなくてはいけないというところも含めて。ただ、きょうに関しては『お疲れ』と言いたいです」

ベンチから試合を見守っていた、北越高校の小林龍ノ介キャプテンに聞きました。

― やってくれましたね。選手たち
「はい。本当にもう最高です」
「このために3年間やってきて、出られないというのは悔しかったです」
「みんながおれのためにっていう思いでやってくれて、本当に最高です」

キャプテンとともに花園へ!
『全国高校ラグビー大会』は12月27日に東大阪市の花園ラグビー場で開幕します。

ところで、熱戦が繰り広げられたこの試合で初めてお披露目されたのが、国際試合にも対応できる新たなゴールポストです。
これまで高さ9mだったものが17mになりました。

ラグビー“日本代表戦”の誘致に向けた改修で、新潟県ラグビー協会によりますと、県内では初で、日本海側でも珍しく、今後、フィールドの改修も予定しているということです。ラグビーの一層の盛り上がりに期待が集まります。