先月、二度にわたり台風に見舞われた東京の八丈島。土石流が直撃した地区では、今も被害の爪痕が色濃く残っています。

八丈島の大賀郷小学校。多くの島民が見守るなか、子どもたちが徒競走や大玉相撲に精を出しています。

先月、八丈島をたて続けに襲った、台風22号と23号。人的な被害は無かったものの、島内各地で建物の屋根や外壁がはがれ、道路の陥没や倒木も相次ぎました。

ライフラインへの被害も大きく、およそ3週間たった今でも300世帯以上で断水が続くなど、影響は長期化しています。

南東部の末吉地区では、町の施設や教職員用の住宅に土石流が直撃。付近の道路で通行止めが続いていましたが、3日前にようやく解除されました。

記者
「もともと小学校だった場所ですが、大量の木や土砂が直撃しました。窓は原型をとどめていません」

泥や流木に覆われた小学校の跡地。台風が最接近した当日、この場所に避難していたという男性がいます。

土石流被害に遭った男性
「誰かが来たーという声がして、そしたら泥水がじわっと入ってきた。近くに90ぐらいの杖をついたおばあちゃんがいたので、おばあちゃん逃げるよって言って抱きかかえて逃げかけた。ものの10秒ぐらいで土石流が腰までやってきて」

高齢の女性を抱えながら土石流に何度も流され、死を覚悟したといいます。

この建物は町が設置した“避難所”で、当時、住民19人と町の職員ら3人が身を寄せていました。

土石流被害に遭った男性
「今回、本当に誰も死ななかったのが本当、奇跡とも言ってもいいぐらいの土石流災害だった。今後の安全対策はやってもらいたいなと思いますね」