■第66回東日本実業団対抗駅伝(3日、 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場及び公園内特設周回コース、7区間・74.6㎞)

全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の予選会を兼ねた「東日本実業団対抗駅伝」が行われ、ロジスティードが初優勝を果たした。3区で四釜峻佑(24)がトップを走っていたGMOの太田蒼生(23)を逆転、アンカーを任されたルーキー・平林清澄(22)がフィニッシュテープを切った。元日の「ニューイヤー駅伝」の出場権を獲得した。

来年元日の“ニューイヤー駅伝”は第70回に記念大会となり、東日本実業団対抗駅伝の上位12チームに加えて、13位以下で最上位の1チーム、12位とのタイム差が10分以内でゴールした場合に限り記念大会枠の出場権が与えられる。

注目は今年のニューイヤー駅伝2位、東京世界陸上マラソン代表の小山直城(29)、5000m代表の森凪也(26)が所属するHonda、同じく東京世界陸上マラソン代表の吉田祐也(28)が所属、今年は青山学院から鶴川正也(23)、太田蒼生(23)と新戦力が加わったGMOインターネットグループ、去年、11位でニューイヤー駅伝連続出場が39回で途絶えたコニカミノルタの復活なるか。

全30チームが参加、スタート前は選手たちもお互いに笑顔で会話しながらウォーミングアップをした。1区(13.1㎞)、レースの流れを作る大事な区間で序盤先頭を引っ張ったのが富士通の伊豫田達弥(25)とロジスティードの富田峻平(25)。

4㎞付近でスピードが上がると集団が徐々に崩れ始めた。去年優勝のGMOインターネットグループ・今江勇人(27)、2位のヤクルト・吉川洋次(27)など強豪チームはしっかりとついていった。

10㎞付近の下り坂でトップに立ったのがGMOの今江、徐々にスピードを上げていき2位集団を引き離しにかかった。そのスピードに付いていったのがサンベルクス・市山 翼(27)、今年SUBARUに移籍してきた“マラソンYouTuber”小林歩(26)、最後はGMO・今江がスパートをかけてトップでタスキリレー、2位にサンベルクス、3位にSUBARU。

GMOインターネットグループ1区・今江勇人選手

2区(8.2㎞)、GMOのテモイ・マイケル(20)が安定した走りでトップをキープ、3区のルーキー太田蒼生(23)にタスキを渡した。2位にJR東日本、3位にSUBARUとなった。

最長区間の3区(16.4㎞)はルーキーが集まった区間、GMOは太田、サンベルクスは吉田響(23)、富士通は篠原倖太朗(23)と大学駅伝で活躍した選手が出場。GMO・太田は単独走で沿道の声援を受けながら周りを確認して落ち着いた走りで自分のペースを保った。

GMOインターネットグループ3区・太田蒼生選手

10位でタスキをもらった富士通・篠原はスタート直後に11位のHondaの同じルーキー・吉田礼志(23)に抜かれたが、すぐに抜き返し、ルーキー同士の戦いが見られた。ここから篠原はスピードを上げていくと、ヤクルト・花王・M&Aベストパートナーズ・コニカミノルタと4チームを一気に抜いていった。

4位でタスキをもらったサンベルクスは吉田は6㎞付近でSUBARUとJR東日本を捉えて、2位まで順位をあげた。

10㎞付近でGMOの太田にロジスティードの四釜峻佑(24)が追いつくと、サンベルクスの吉田も加わり、トップ集団が3チームとなった。追いつかれたGMO・太田は慌てずについていった。

12㎞付近でサンベルクスの吉田が先頭に出るとGMO・太田は口を開けて苦しそうな表情を見せた。13㎞付近でGMO・太田がついに遅れ始めて、サンベルクスの吉田とロジスティードの四釜が抜け出した。

終盤は吉田・四釜の仕掛け合戦、ペースの上げ下げで揺さぶりをかけるなど壮絶な戦い、死後の最後までお互いが引かずに同時に4区へタスキリレー、GMOの太田は3位でタスキリレー、渡した瞬間にグラウンドに倒れてしまった。

大激戦となった3区

4区(8.2㎞)、ここではスタートからサンベルクス・渡邉奏太(27)とロジスティード・藤本 珠輝(24)の並走が続いた。ラスト100mでロジスティード・藤元がスパートして、トップでタスキリレーとなった。富士通の10000m日本記録保持者の塩尻和也(28)が5人抜きで4位まで順位をあげた。

5区(8.2㎞)、ロジスティードのルーキー・海老澤憲伸(23)はスタートから飛ばして、サンベルクスとの差を一気に広げていった。最後までペースを崩さずにトップをキープ、2位にはサンベルクス、3位にSUBARU。出場権争いも激戦、12位は花王、13位に富士山GX、14位にNDソフト、13位と14位の差は10秒。

ロジスティードのアンカー・平林清澄選手

6区(8.2㎞)でもロジスティードはトップをキープして、アンカーを任されたルーキー・平林清澄(22)へタスキが渡った。2位にはGMO、3位にサンベルクス、ほぼ同時で4位でSUBARU。出場権のかかる12位には花王、第70回記念大会枠となる13位にNDソフト、そして約1分差で14位に富士山GXとなった。

7区(12.3㎞)、ルーキーでアンカーを任された平林はスタートから順調なペース、沿道から指示があると、手をあげて答えるなど冷静な走りを見せた。沿道の声援にも笑顔を見せ、さらにはガッツポーズまで見せた。最後までペースは乱れず、落ち着いた走りを披露、スタジアムに入ると帽子を投げ捨てて、指を高く突き上げた。終始笑顔でチームメイトの待つフィニッシュ地点へ。最後も指を高く上げて歓喜のフィニッシュテープを切った。ロジスティードは悲願の初優勝、元日の「ニューイヤー駅伝」の出場権を獲得した。

2位のGMOインターネットグループを始め上位12チームが元日の「ニューイヤー駅伝」の出場権を獲得、コニカミノルタが2年ぶりの出場となった。そして、第70回記念大会枠は13位のNDソフト、12位の花王は3時間35分16秒、13位のNDソフトは3時間35分20とわずか4秒差だったので記念大会枠での出場権を手にした。

【東日本実業団駅伝・結果】
1位)ロジスティード
2位)GMOインターネットグループ
3位)SUBARU
4位)サンベルクス
5位)JR東日本
6位)M&Aベストパートナーズ
7位)富士通
8位)ヤクルト
9位)コニカミノルタ
10位)Honda
11位)プレス工業
12位)花王
*********ニューイヤー駅伝出場権
13位)NDソフト
*********第70回記念大会枠
14位)富士山GX