イギリス中部で1日、ロンドンに向かう列車内で複数の人が刺された事件で、警察は逮捕した容疑者2人のうち1人を釈放しました。32歳の男を殺人未遂の疑いで捜査していて、現時点でテロとの関連を否定しています。

この事件は1日夜、イングランド中部ドンカスター駅からロンドンのキングス・クロス駅に向かっていた列車内で複数の乗客が刺されたものです。

列車はロンドン中心部からおよそ90キロ離れたハンティンドン駅で緊急停車し、駆け付けた警察官が容疑者2人を逮捕しました。その後、警察は、容疑者1人を釈放し、32歳のイギリス国籍の男を殺人未遂の疑いで捜査していると明らかにしました。

男は事件発生の直前の駅から列車に乗り込んだということで、現場からはナイフが回収されました。

また、あわせて11人が病院で手当てを受けていて、犯行を止めようとした鉄道会社の職員1人が現在も重体だということです。

警察は現時点でテロとの関連を示す証拠はないとしているほか、他に事件に関与した容疑者はいないとの見方を示していて、男が事件に至ったいきさつや動機などを捜査しています。

事件を受けて、チャールズ国王は「列車内で起きた恐ろしい刃物による事件の知らせに衝撃を受けている。被害者やその家族に心よりお見舞い申し上げる」との声明を発表しました。