寒さが増し、石油ストーブやファンヒーターを使い始める季節。製品評価技術基盤機構(NITE)に過去5年間に寄せられた事故の中には、「ガソリンの誤給油」によるものも含まれています。NITEでは、ガソリンを誤って給油すると爆発的に燃え上がるおそれがあるとして、厳重な注意を呼びかけています。

灯油とガソリンの入れ間違い

製品評価技術基盤機構(NITE)に過去5年間に寄せられた主な暖房器具の事故は596件、死者は78人にのぼっています。

報告された596件の中で原因が特定できた石油暖房器具の事故のうち、「ガソリンの誤給油により出火」したケースは19件ありました。

わずかな混入でも爆発的に燃焼

灯油とガソリンは見た目が似ていますが、ガソリンは灯油に比べてはるかに引火しやすく、爆発的に燃焼します。

そのため石油ストーブに誤ってガソリンや、ガソリンが混入した灯油を入れると、点火時に激しく炎が噴き出したり、機器が異常燃焼するおそれがあり大規模な火災や重度のやけどにつながりかねません。

NITEでは灯油とガソリンを似たような容器で保管したり、同じ場所に保管することで、思い込み誤給油に繋がる可能性があると指摘しています。

誤給油を防ぐための対策4選

NITEは、危険な誤給油事故を防ぐために、以下の対策を徹底するよう呼びかけています。

【容器を分ける】
 …それぞれ専用の容器を使用する
【場所を分ける】
 …保管場所を明確に区別し、絶対に混同しない
【表示する】
 …容器にはっきりと「灯油」「ガソリン」と表示し、誰が見ても一目でわかるようにする
【確認する】
 …給油前には色や臭い、容器を確認する習慣をつける

迷った時の見分け方

灯油とガソリンは「息を吹きかける」ことで簡単にみわけることができます。

火気のない安全な場所で、指先に少量つけて息を吹きかけ
すぐに乾けば→ガソリン
濡れたままなら→灯油の可能性が高いです。

もし誤給油してしまったら?

万が一、誤ってガソリンを給油してしまった場合やその疑いがある場合は絶対に使用せず、購入した販売店やメーカーの相談窓口に連絡し、適切な対処方法を確認してください。

ガソリン誤給油は、重大事故につながる可能性があります。石油ストーブ・ファンヒーターを使用する際は、燃料の管理と確認を徹底してください。