「二度咲き」するのはなぜ?

ーなぜ「二度咲き」するのでしょうか?

大野竜徳さん
「最近の研究を眺めていると、キンモクセイの二度咲きは温暖化と関係があるのではないか、という報告があります。

たとえば、『夏季から秋季にかけての気温がキンモクセイの開花に及ぼす影響』(日本緑化工学会誌 37巻1号, 2011)という研究では、通常より3℃ほど高い環境下で栽培した個体に、二度咲き現象が再現されたと報告されています。

つまり、夏から秋にかけて高温が続くと、キンモクセイが一度休眠しかけて再び開花する、というサイクルが起きるようなのです」

「花の準備を始めると成長はやめて花をつけるのに一生懸命になり、開花させたら冬はオヤスミナサイ、ということですね。

植物にとって『花を咲かせる』という行為は、成長(栄養成長)と繁殖(生殖成長)のトレードオフの上に成り立ちます。

トレードオフを例えると、150円の今日までのクーポン持っています。ちょうど夜の散歩がとても寒くて家まで我慢できない、クーポンも今日までなので、暖かい飲み物を買うか、肉まんを買うか、カイロを買うか迫られたとき、150円をどこへ投資しますか?というようなイメージです」