徳島大学の研究棟で学生が死亡。部屋では試薬を冷やすためにドライアイスが使われていました。

 「心から哀悼の意を表しご冥福を深くお祈り申し上げます」

 10月20日、徳島大学・医薬創製教育研究棟の低温培養室で特別研究学生の岡本将志さん(27)が倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認されました。死因は、酸素欠乏でした。

 大学によりますと、岡本さんは発見される2日前の午後1時すぎに研究棟に入室。この日の午前中に、別の研究室の学生らが部屋にドライアイスを搬入したといいます。

 (記者リポート)「ドライアイスは、実験で使用する薬品を保冷する目的で使われ、衣装ケースに入れていたということです」

 その翌日、研究棟では電気設備の点検にともなう停電が予定されていて、試薬を冷やすためにドライアイスを持ち込んだということでその量は、計31kg。一気に気化した場合の二酸化炭素の量は、部屋の容積の50%を超えるほどだったといい、岡本さんの発見当時は完全に気化し、なくなっていたということです。

 (徳島大学大学院・薬学研究科 小暮健太朗科長)「ドライアイスを入れているという情報は、研究室の教員および学生には周知されていませんでした。(搬入を知らせる)貼り紙などはされていませんでした」

 警察は、ドライアイスの使用と岡本さんの死亡理由との因果関係を調べています。