繁殖力が強く、生態系や農業に影響を及ぼすとされる特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」【画像①】についてです。5月に繁殖が確認された岡山県矢掛町できょう(27日)、防除作業が公開されました。
その繁殖力の強さから、「地球上で最悪の侵略的植物」とも呼ばれているナガエツルノゲイトウ。矢掛町の大渡川では、茎が多数に枝分かれし、水面が見えなくなるほど生い茂っています。
(前田唯キャスター)
「繁殖力が強く、地下深くまで根を張るナガエツルノゲイトウです。その全てを取り除くためにエンジンポンプを使っての作業が進められています」
岡山県や矢掛町、中国四国農政局などによる防除が行われた大渡川の上流域です。再生力が強く、数センチの断片が残るだけでも増殖してしまうため、水圧を利用して川底深くに張る根から取り除いていきます。
エンジンポンプを利用しての防除は県内初の試みで、より高い精度での除去が期待できます。
北は福島、南は沖縄まで全国各地で繁殖が確認されているナガエツルノゲイトウ。県内では、1月に倉敷市の小田川河川敷【画像④】で初めて確認され、5月に矢掛町の水田で確認されたのが2例目【画像⑤】です。
外来種の防除に詳しい専門家は、その張り巡らされた根によって、地域住民の生活に様々な被害がもたらされると話します。
(公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 中井克樹特任研究員【画像⑥】)
「農地に侵入した場合は、水田耕作の現場で、せっかくイネが実ってもナガエツルノゲイトウが一緒に混在していると、コンバインとかを使って機械による収穫ができなくなってしまう」
岡山県内では、まだ顕著な被害は出ていないということですが、滋賀県の琵琶湖では、河川に群生して排水ポンプをつまらせ、停止させるなどの被害も報告されています。これ以上の増殖を防ぐためには、地域全体での協力が不可欠だといいます。
(公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 中井克樹特任研究員)
「例えば町役場や県庁とかですね、関連部局に通報してもらう。それで大事なのは、あと地域でできるだけそれ(危険性の認識)を広めてもらって、自分の地域だったらこんな問題が起こるかもしれないというのがあると思うんですよね」
県は、今後も関係機関や地域住民と協力のうえ、引き続き対策を講じていきたいとしています。
【スタジオ】
担当者によりますと、今回の作業で全てを取り除くことはできないため、今後も地域住民らによる活動を続けていくということです。














