■第62回全日本競歩高畠大会(26日、山形・高畠まほろば競歩コース(1周1.0㎞の周回コース))

国内で初めてとなるマラソン競歩が行われ、東京世界陸上銅メダルの勝木隼人(34、自衛隊体育学校)が2時間55分28秒(速報値)で初優勝を飾った。今大会のマラソン競歩は2026年アジア大会の選考競技会に指定されており、優勝した勝木は日本代表入りへ一歩前進した。

42.195kmを歩く男子マラソン競歩。小雨の降る中、スタートから飛び出したのは、東京世界陸上で日本勢メダル第1号となった勝木と、パリオリンピック™代表の髙橋和生(29、ADワークスグループ)。実力者の2人が、序盤から先頭でレースを引っ張った。

1周1㎞の周回コースを平均4分15秒のペースで歩く2人。先頭を勝木、そのすぐ後ろに髙橋がピタリとつく展開が続き、10.195km通過時点で3位の選手に1分近い差をつけ、早くも一騎打ちの様相となった。

前日の会見で「サブ3(3時間切り)が目標」と語った勝木。中盤を過ぎた辺りでペースを上げると、髙橋との差が広がり始めた。25.195㎞通過時点で、2位・髙橋との差は24秒となり、勝木は独歩状態に。時折、笑顔を見せるなど余裕のある歩きでトップを歩き続けた。

その後も勝木はペースを落とすことなく快調に飛ばす。終盤には3位に落ちた髙橋を周回遅れにし、2位の岩井和也(自衛隊体育学校)も捉えるなど、出場選手すべてを周回遅れにする圧倒的な歩きで初優勝を飾った。

レース後に「自分の思った通りのタイムが出たのですごく安心してます」と話した勝木。終始笑顔で歩いたことについては「楽しんだ方が周りの方も楽しいかなと思うのと、僕自身、長い距離になってくれてすごくうれしい。やっぱり50㎞が好きだったので、35㎞からマラソンの距離になって『よし!自分の時間が増えたな』って思って楽しませてもらいました」と、その理由を明かした。

昨年12月、世界陸連が2026年以降の世界大会で競歩の距離を変更すると発表。現行の20km/35kmから「より親しみやすく参加しやすいように」と、ハーフマラソン(21.0975㎞)/マラソン(42.195km)の距離に。それに伴い、今大会から実施距離が変更された。

女子のマラソン競歩を制したのは内藤未唯(22、ウィザス)。優勝タイムは3時間47分51秒(速報値)だった。

【男子マラソン競歩 結果】
1位 勝木隼人 2時間55分28秒
2位 岩井和也 3時間01分22秒
3位 石田 昴 3時間04分22秒