『AI』と『専門学校生』がイラスト対決!

 専門学校でキャラクターイラストを専攻している前原羽希さん(20)。将来の夢はゲームのキャラクターをデザインすることです。
 (前原羽希さん)
 「(Qこのイラストでどれくらいかかる?)これは7時間ですね。急いで描いたやつなので、割と速いと思います。
 一瞬でイラストを描けるAIに仕事が奪われるのではないか、と心配している前原さん。AIと人間、どちらが優れているか試してもらいました。お題は『絵を描いている犬』です。
 前原さん、犬の写真を参考に筆を進めていきます。

 (前原羽希さん)
 「(Q素早く描いているように…)見えますか?でもAIだったら秒単位で出てくるじゃないですか」
 前原さんが描くのはベレー帽を被った犬と筆を持った犬。

 (前原羽希さん)
 「このへんでやめておきます。もっと線きれいにできたかなとか、もうちょっと要素入れられなかったかなと思っています、今」

 完成までにかかった時間は約30分でした。
​ 続いてAIのチャレンジ。先ほどのLINEアカウントに「ベレー帽を被った犬」と送ると、わずか6秒で絵が作成されました。
 コーギーのような犬が赤いベレー帽を被っているイラストで、毛並みや瞳も細かく描かれています。

 (前原羽希さん)
 「私が『ベレー帽を被った犬を描こう』と思った瞬間にAIに頼んでいたら、AIのほうがたぶん速いので、スピードだけでいえばAIのほうが勝っていますよね」
 一方で「筆を持った犬」とAIに送って出てきた絵は、よく見てみると筆が変な形になっています。

 (前原羽希さん)
 「モノをモノとして見る力は人の方が勝っているんじゃないかな。人間が描いているから筆は筆の形だし」

 スピードはAIの圧勝ですが、クオリティに関しては人間に分があるようです。
 ただ、そのクオリティも近い将来、人間を追い越すとみられていて、イラストを教える講師も頭を抱えています。

 (大阪アニメーションカレッジ専門学校 東谷由紀講師)
 「本当はAIとかに負けてほしくないんですけど、でも需要があって『簡単だからこれを使いたい』というのが増えたらもう(AIに)負けちゃうのは仕方ないことなので、ほかにどういう道が残っているかを探さないといけない」