「一票の格差」が最大3倍を超えた7月の参院選について、大阪高裁は憲法に違反しないと判断し、選挙の無効を求める原告の訴えを退けました。

 今年7月の参院選で、議員1人当たりの有権者数が最も多い東京選挙区と最も少ない福井選挙区を比べると「1票の格差」が3.12倍。また、大阪選挙区と福井選挙区でも格差が2.9倍あり、弁護士グループは前回の参院選より格差が拡大し投票価値の平等に反して憲法違反だとして、選挙の無効を求めて提訴していました。

 24日、大阪高裁は「選挙当時、投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえない」などとして、合憲と判断。選挙無効の請求について棄却しました。

 一方、判決では格差について「喫緊の課題が更に切迫したものとなった。国民の理解も得られるような立法的措置が講じられることが引き続き求められる状況」として指摘しています。

 (升永英俊弁護士)「是正義務のない合憲判決じゃないんです。是正しなければいけないとこの判決は言ってるわけです。そういう意味ではプラスです」

 弁護士グループが全国の高裁・高裁支部に起こした今年7月の参院選をめぐる「一票の格差」訴訟16件のうち初の司法判断です。

 各高裁の判決が出そろった後、最高裁が来年にも統一判断を示す見通しです。