冬の訪れを感じさせる風、「木枯らし」。晩秋から初冬にかけて吹く、冷たくて強い北風のことです。かつては冬の始まりを告げる風物詩でしたが、近年の気象は変動が大きく、その訪れ方も変わってきています。(アーカイブマネジメント部 萩原喬子)

木枯らし1号とは?

「木枯らし1号」とはそのシーズンで最初に吹く木枯らしのこと。その年の冬の始まりを知らせる風として親しまれてきました。

気象予報士 森 朗氏:
ちなみに木枯らし1号の発表が行われるのは東京地方と近畿地方でのみです。もともと気象庁では「木枯らし1号」を公式には扱っておらず、マスメディアからの要望によって季節の風物詩として発表がスタートしました。

1995年11月11日放送「JNNニュースの森」より

「木枯らし1号」の発表条件

気象予報士 森 朗氏:
気象庁が「木枯らし1号」と発表するためにはいくつかの条件があり、最も重要なのは「西高東低の冬型の気圧配置です。

日本の西側に高気圧があり、東側に低気圧がある「西高東低」の冬型の気圧配置。(提供:ウェザーマップ)

この気圧配置によってシベリア大陸から冷たい北風が日本列島に吹き込んできます。
東京地方の木枯らし1号の発表は、10月下旬から11月末までの間で北寄りの風が吹くなどの条件があります。

東京地方の木枯らし1号の条件。1991年からこの条件になっています。