一方そのころ、Noism芸術総監督で演出振付家の金森穣さんは、フェスティバルの関係者との挨拶もそこそこに、劇場内の小さなホールに向かっていました。Noism独自のトレーニング方法を地元のダンサーに体験してもらおうと、フェスティバル側が企画したワークショップ「Noismメソッド」で講師を務めるためです。

金森穣さん
「OK、レッツスタート」
皮膚感覚を呼び覚ますことから始まったワークショップ。プロを含む地元のダンサー十数人が参加しました。
身体の緊張感を重視し“張りのある身体”を目指すNoismメソッド。
会場は次第に熱気を帯びていきます。

金森穣さん
「私たちは日本人であり、私たちの伝統には西洋文化と完全に反対の身体の使い方があります。だから私たちのカンパニーでは、その両方を組み合わせようとしています」
日本の伝統文化、能の要素を取り入れたトレーニングも紹介され、予定の1時間半はあっという間でした。

ワークショップの参加者
「本当に興奮したし、好奇心も湧きました。動きのトレーニングとその背景にある哲学を組み合わせることができて、本当に素晴らしかった」
金森穣さん
「興味は、持ってくれたような気はする。ただ、もどかしくて。経験を重ねれば重ねるほど、より教えづらくなっているよ。難しさが分かるから」














