■コンパクトなのに「多機能」 1隻で多様な任務に対応

   
隊員が艦内を案内してくれた
  
今回は、カメラを入れない条件で艦内を取材することはできました。
これまで鹿児島に寄港したことがある、海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」(全長248メートル・排水量1万9950トン)や、イージス護衛艦「はぐろ」(全長170メートル・排水量8200トン)に比べ、「もがみ」はコンパクトな設計だけに艦内の通路はやや狭く、少しかがまないと通れないような場所もありました。

艦首の甲板は、レーダーで映りやすい凹凸を減らすために、段差などは極力作らず、海への落下防止の柵はポールとロープ簡単に取り外せるようになっていました。
  
対艦ミサイル防御装置 SeaRAM
  
「もがみ」の武装は、対艦ミサイルや魚雷だけでなく、機雷を探し出す水中無人機(UUV)や、機雷を排除する水上無人機(USV)も搭載できるようになっています。また、艦体の後方には哨戒ヘリコプター1機を格納・離着陸させることもできます。


■機雷の敷設、除去も担える

多機能艦を象徴するのが機雷の敷設と除去を担えることです。島しょ防衛で重要とされる、海中の機雷を探して取り除く掃海艦の機能も持ち合わせています。

例えば、敵の接近が予想される海域に機雷を敷設したあと、迎撃に向かうこともできます。

また、離島などを占拠した敵が、周辺海域に機雷を敷設した場合、そのままでは奪還部隊を輸送する艦艇が近づくことができません。
もがみは、先述の水中無人機UUVと、水上無人機USVを使って、これまで掃海艦・掃海艇と呼ばれる専門の艦艇が担ってきた機雷除去の任務を行うことができます。

対艦、対潜水艦、掃海などコンパクトに関わらず、1隻で様々な任務に対応できます。
   
別々だった操舵・指揮のシステムや人員を統合。省人化だけでなく、連携強化にもつながったという。