「手を合わせることは死んだことを認めることになる、俺は絶対にしない」

元紀さんが亡くなって23年。
裁判が終わり男が裁かれた今でも、岩嵜さん家族は元紀さんの存在を感じながら過ごすことで、今を生きることができるのだといいます。

岩嵜さん:
「我が家では、家の中心のみんなが見える一番いいところに元紀はいつも微笑んでみんなと一緒にいます」
「食事もちゃんと元紀の分を取り分けます。長男と次男はあの日以来、元紀の誕生日のプレゼントを忘れません。私達はそうすることで、元紀の存在を、手応えを感じ、自分自身を支え、納得して今を生きることができるのです」

かけがえのない弟を失った兄弟たちは、未だに元紀さんに向かって手を合わせることはしないといいます。

岩嵜さん:
「長男は手を合わせるってことは死んだことを認めることになるから、俺は絶対にしない。そう言い切っています。皆さんには2人の気持ちをどのように感じられるでしょうか?私はそれでいいと思っています」
「それほど心に今の一緒に生きる元紀を思っているからです。以上が元紀の事件の裁判、それから私や家族の思いと現実の生活です」