末田倫子さん「今はまだ言葉にできない物語があることを忘れてはいけない」

国連UNHCR協会広報サポーターの末田倫子さんは、日本語教師として昨年からウクライナ避難民に日本語を教えています。

そのために文科省の「難民等のための日本語教師【初任】研修」を受講し、勉強しました。

その中で、難民に関する用語や、現状など様々な知識を学びましたが、「自分が接している、目の前の人たちのことが、本当にわかっているのだろうか」と疑問に思ったといいます。

そんな時に出会ったのが「難民映画祭」でした。昨年の上映作品の中に『永遠の故郷ウクライナを逃れて』という作品があり、末田さんの心に響きました。

(末田倫子さん)
「自身がウクライナの方たちの避難を支援する活動をしている監督が撮った作品で、爆撃の恐怖の中で話せなくなった子どもを連れて避難している人のことばに『子どもが笑っているのを見るだけで、日本に来てよかったと思う』と言った学習者さんの姿が重なり、その言葉の重さを実感しました。

『一番大事な牛は連れてこられなかった』と肩を落とす年老いた農夫、『夫が戦場で亡くなってしまった。子供たちを守りたい』そう語る母親。

 映画の中に出てくる人々、一人一人に物語があるように、私の目の前にいる学習者さん一人一人に、今はまだ言葉にできない物語があることを忘れてはいけないのだと思いました」