違法建築など無許可開発が問題となり9月30日で閉園した札幌市南区の民間動物園「ノースサファリサッポロ」について、北海道警察は23日午前8時半ごろ、都市計画法違反容疑などで札幌市内の運営会社「サクセス観光」の前社長宅などに家宅捜索に入りました。

2005年にオープンした「ノースサファリサッポロ」は、動物と間近で触れ合えるのが特長で、ライオンへのエサやりなど“日本一危険”な動物園として、これまでに延べ200万人以上が訪れました。

しかし市街化調整区域で無許可で施設を建てるなど、違法な開発が問題となり、運営会社の「サクセス観光」は、市から行政指導を受けていました。

9月末の時点で、運営会社が全撤去を表明した違法建築物について、100棟以上が残されていて、市は建物の撤去を命じる「除却命令」を出すことも検討しています。ただ撤去に伴う動物たちの移動については、運営会社に委ねています。

懸念されるのは、ライオンなど、人に危害を加えるおそれがある「特定動物」ですが、移動先は公表されておらず、受け入れ先の確保が難航しているとみられます。

札幌市によりますと、飼育されていた640頭のうち、半数ほどの319頭が園内に残っているということです。(9月末時点)

運営会社は、宿泊施設の建設を目的に国や札幌市から合わせて約6700万円の補助金を受給していましたが、都市計画法違反にあたるとして交付を取り消され、札幌市から全額返還を求められています。