混乱いつまで続く?専門家はー

恵俊彰:
これは長引きそうですか?

ITジャーナリスト 三上洋氏:
はい。今までの例ですと、ランサムウェアの感染で1か月~3か月以上かかる場合もあるんですよね。そのぐらい長くなる可能性があると覚悟した方がいいかもしれません。
というのも、この「ランサムウェア」は、暗号化してシステムが全部使えなくなっちゃうんです。
最近の企業は合理化やIT化を進めていて、全てのシステムを一つのシステムにする。
出荷から工場生産から人事から給与まで全部一つにして合理的な企業の運営をしている。ランサムウェアに感染すると企業のシステム全部がドカーンとやられてしまうので止まってしまうんですね。結構深刻な事態です。

コメンテーター 高橋ユウ:
1か月から3か月続いちゃうと、医療で使われている注射針やメスなど、どうなってしまうんでしょうね。無印だったら直接買いに行こうとかできますけど、医療現場はすごく大変ですよね。

なぜ日本企業で被害相次ぐ?

警視庁によると、ランサムウェアによる被害の件数は今年上半期で116件。
企業・団体の規模別でみるとー
・大企業・・・35件
・中小企業・・・77件
・団体等・・・4件

三上氏は「犯罪グループが日本の大企業を狙っているのではないか」と見ています。

なぜ日本企業で被害が相次いでいるのでしょうか?
三上氏によると、以前は“日本語の壁”と言われ、英語圏よりもサイバー攻撃に遭いにくい状況があったが、AIによってそれが“突破”されていると言います。

ITジャーナリスト 三上洋氏:
ランサムウェアの原因は必ずしもメールではありません。ただ、いろいろなサイバー攻撃はメールやSNSの場合があります。
その時、日本語が難しいために、なかなか海外からの攻撃が通らなかったんですよ。
でも、最近では生成AIで自然な日本語ができるので、メールやSNSなどのメッセージ経由で騙される、ウイルス感染することも増えています。

弁護士 八代英輝:
いよいよ英語圏と変わらないようなセキュリティ対策、特に私用のパソコンを使わないとか、USBを挿し込まないとか、不用意にURLをクリックしないとか、そういったことを
全社員が徹底していかないと、システムに入られてしまうと、損害が莫大なものになりますからね。

恵俊彰:
これは大手の企業のお話ですけど、我々一般にもサイバー攻撃はあるんですか?

ITジャーナリスト 三上洋氏:
私たち個人、それから中小企業がやられてしまって、そこが足場となって大企業が狙われる場合があるんですね。なので、個人であっても、例えばテレビ局と取引があれば、私がウイルス感染してテレビ局を狙うみたいなやり方があります。
ですので、個人も警戒をしましょう。
セキュリティ対策ソフトを必ず入れることが重要です。

恵俊彰:
携帯も同じですか?

ITジャーナリスト 三上洋氏:
スマートフォンやタブレットは大丈夫です。Windowsのパソコンのときは、くっついてくる無料のウイルス対策ソフトがあるので、それを必ず有効にしていただくことが重要になります。
(ひるおび 2025年10月21日放送より)
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<プロフィール>
三上洋氏
スマートフォン事情に詳しいITジャーナリスト
近著に「深掘り!IT時事ニュース」