岡山県の北部エリアで今、「芸術を軸にした地域おこし」が盛り上がりを見せています。温泉地で、12月まで開かれた芸術祭が地元に活気を取り戻すきっかけとなり、新たなアートプロジェクトも動き始めています。
■温泉街「芸術祭」の後押しでようやく元の水準に戻った!

温泉旅館のベランダから顔を出す、奇妙なオブジェです。


岡山県北部に生息し、地元で「ハンザキ」とも呼ばれている、国の特別天然記念物「オオサンショウウオ」をモチーフにしたアート作品です。

(宿泊客)
「かわいいですよね」


12月4日まで開かれていた芸術祭「美作三湯芸術温度」です。岡山県北部の湯原・奥津・湯郷の温泉街を舞台に、26名のアーティストが制作した個性豊かな作品が旅館などに展示されました。

「プラスワンな楽しみがあってちょっとワクワク」
「いろんな所にハンザキがいるのもすごく楽しいです」


こちらは、卓球台と木琴を融合させた「マリンバピンポン」という作品です(画像参照)。実際にプレイすることも可能で、心地よい音色が響き渡ります(動画参照)。

ーどういうところが楽しかったですか?
「音が鳴るところ」

「泊まりに来て、いろんな作品に触れたりして、思い出作りにはすごくよかったと思います」

今年の始め、湯原温泉はコロナ前・2019年の半分以下にまで客足が落ちていましたが、芸術祭などの後押しを受け、ようやく元の水準に戻りはじめたといいます。

(トラベルシリウス 池田博昭 社長)
「昨年、その前に比べたら、本当に多くのお客様が温泉地を歩いていただいている、ということを実感しています」
「温泉宿がアートによって身近に感じられるというか、アートを見ながら食事をしたり入浴をしたり、という新しいスタイル。こんな旅行形態もあるんだな、ということを我々も実感しています」

人々をひきつける「アートの力」。こうしたなか、今年秋、新たなアートプロジェクトが動き出しました。