島根県松江市にある中国電力島根原子力発電所2号機で、20日、検査しようとした新しい核燃料2体が輸送容器から外れて床に倒れ、近くにいた作業員1人が軽いけがをしました。
この事案による環境への影響はないということです。
中国電力によりますと、20日午前9時20分頃、松江市鹿島町にある島根原発2号機の原子炉建物4階(放射線管理区域内)で、新燃料の輸送容器をクレーンで立て起こそうとしたところ、中に入っていた長さ約4.5メートルの核燃料(燃料集合体)2体が容器から外れて床に倒れ、大きく変形しました。
この際、近くにいた協力会社の男性作業員(46)の右手足に新燃料が当たり、作業員は病院に運ばれましたが、打撲と診断され、被ばくや環境への影響もありませんでした。また2号機も定格出力で運転を継続しています。
中国電力では去年12月に再稼働した2号機の核燃料の一部を来年2月からの定期検査に合わせて交換することにしています。
10月8日には関東地方にある会社から新しい燃料集合体が搬入されました。
そして15日から14日間の予定で輸送による傷や異物混入がないかなどを調べる新燃料受取検査中でしたが、現在検査は中断しています。
連絡を受けた島根県と鳥取県、松江市など半径30キロ圏の2県6市は職員を派遣して20日午後4時半から現場確認を行っています。
中国電力によると新燃料の転倒は初めてで、当時、輸送容器に新燃料を固定するストッパーなど固縛措置が何らかの理由でされていなかったということです。また今回変形した新燃料は使わないこととし、今後原因の解明や再発防止に努めるとしています。