■第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会(26日、宮城・仙台、全6区間・38km )
“全日本・富士山”と大学女子駅伝の2大大会の一つ、全日本大学女子駅伝対校選手権大会が宮城県・仙台市で行われ、城西大学が2000年以来、25年ぶり3度目の優勝を果たした。1区・本間香(1年)、2区・兼子心晴(4年)、3区・大西由菜(1年)が3区間連続区間新記録をマーク。5区で3位まで順位を落としたが、アンカーの金子陽向(4年)が1分17秒差を大逆転する劇的優勝となった。関東の大学が優勝するのは2002年の筑波大学以来、23年ぶりとなった。
“杜の都”を走り抜け大学女子の日本一を決める全日本大学女子駅伝、全26チームが出場し、上位8位までのチームに来年のシード権が与えられる。連覇を狙う立命館大は去年、1区区間2位だった太田咲雪(3年)、3区には去年2区の区間賞の山本釉未(2年)、去年フィニッシュテープを切った土屋舞琴(4年)を5区と盤石な布陣、女王奪還を狙う名城大は1区と5区にルーキーの細見芽生(1年)、橋本和叶(1年)と新戦力を起用、関東大学女子駅伝3連覇を果たした大東文化大は5区、6区に2大エースのS.ワンジル(3年)、野田真理耶(3年)を後半に据えた。
気温15.5℃、やや肌寒く雨模様となった仙台、レース展開の鍵を握る1区(6.6 ㎞)、流れを使い見たい立命館は太田咲雪(3年)を起用、注目の大東文化、城西、名城はルーキーの1年生となった。最初の1㎞は名城・細見芽生(1年)、城西・本間香(1年)とルーキーがレースを引っ張っていった。
3㎞過ぎでペースが上がると先頭集団は10チーム、立命館の太田はしっかり付いていった。5㎞付近でここまで引っ張って来た名城・細見が苦しい表情を見せて付いていけなかった。6㎞で先頭は10月の関東大学女子駅伝でデビューで5区で区間新記録と急成長した城西・本間、立命館・太田はその後ろとなった。
最後まで城西・本間のスピードは落ちずに区間新記録の21分04秒、城西が25年ぶりに1区をトップでのタスキリレーとなった。立命館が2秒差の2位、大東文化は11秒差で5位、名城は8位。スピード勝負となった1区は6人が区間新記録となった。1年生で好記録をマークした本間は「プレッシャーと緊張が力になった」とホッとした表情を見せた。
最短区間の2区(4.0km)、トップの城西は10月の関東大学女子駅伝で2区区間新をマークした兼子心晴(4年)、最初の1㎞で2位・立命館・佐藤ゆあ(1年)との差を付けていった。兼子は12分38秒の区間新記録、城西は2区間で区間新記録とトップをキープ、2位には27秒差で立命館、3位に福岡大、後半に2大エースが控えている大東文化は4位でトップと44秒差。
3区(5.8km)、“女王”立命館は去年2区で区間賞の山本釉未(2年)、それでも城西のルーキー・大西由菜(1年)は4㎞手前で徐々に山本との差を開いていった。城西は前半3区間で圧倒的な走り、大西は独走状態でもレースが落ちず、ここでも1年生が18分33秒で区間新をマーク。城西が3区間連続区間新記録でトップを独走。2位には28秒差で東北福祉大、3位は29秒差で立命館、4位は名城、5位は大東文化となった。3区も6人が区間新とハイレベルな戦いとなった。
4区(4.8km)、城西の石川苺(3年)は独走状態とキープ、連覇を狙う立命館は3位でタスキを受けた森安桃風(2年)が4位の名城・石松愛朱加(4年)に抜かれると、5位の大東文化・平尾暁絵(3年)に抜かれて苦しい展開となった。
城西の石川はトップで5区・本澤美桜(2年)にタスキリレー、2位の東北福祉の早坂優(2年)も好走し、20秒差の2位で5区に。3位は名城、4位に1分15秒差で大東文化のS.ワンジル(3年)がスタートした。
最長区間の5区(9.2km)、1.4㎞付近でトップ・城西の本澤と2位東北福祉の村山愛美沙(3年)の差は11秒とタスキを受けた時点から9秒縮まった。4位の大東文化・ワンジルは6月のインカレで5000m・10000mと大会新で二冠と圧倒的なスピードを誇る。タスキを受けて1.7㎞付近で26秒差あった3位の名城・橋本和叶(1年)を抜き去った。
中間地点でトップは城西、2位には東北福祉、3位には18秒差で大東文化、5㎞で大東文化のワンジルは2位の東北福祉の村山を捉えると、すぐに1位の城西の本澤もあっという間に抜き去って逆転トップ。その後もスピードは落ちずに差を広げていった。
大東文化は史上初めてトップでアンカーにタスキが渡った。ワンジルは28分25秒と歴代2位のタイムで2位の東北福祉には48秒差を付けた。
アンカー区間の6区(7.6km)、大東文化は7月のワールドユニバーシティゲームズ女子ハーフマラソンで銅メダルを手にした野田真理耶(3年)、沿道の声援には笑顔を見せるなど冷静な走り、4.7㎞付近では2位に浮上した城西の金子陽向(4年)とは38秒差。
残り1㎞で城西の金子が大東文化の野田を捉えて、1分17秒差を逆転、金子が圧巻の走りを見せた。最後の最後までデッドヒートとなり、競技場に入って逃げる金子、チームメイトの待つゴールテープを笑顔で切った。16秒届かなかった大東文化は11度目の2位、まとも悲願達成とは行かなかった。
【第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会 上位10チーム結果】
優勝:城西大
2位:大東文化大
3位:名城大
4位:東北福祉大
5位:立命館大
6位:大阪学院大
7位:筑波大
8位:福岡大
********シード権獲得
9位:順天堂大
10位:日本体育大














