「訴訟」ではなく「和解」を選んだ理由

会見の後半で行われた質疑応答では、事件の背景にある問題点が浮き彫りになりました。
―なぜ自主退学を選んだのでしょうか?
(今西雄介弁護士)
「元々は復学を考えておりました。しかし、その間のいじめの調査やこちらに対する対応という点に、ご本人さん、及びお母様が、戻ってからの生活に安心を持てなかった」
「本当にこれで大丈夫なのかと。もうこれでは戻れませんという形で自主退学を余儀なくされたという事情です」
―学校側はどの範囲でいじめを認めたのですか?
(木田弁護士)
「学校側が作成した報告書では『加害者の証言内容の範囲でA君に対するいじめ行為があったものと判断した』とあります」
「例えば、空気入れを入れたことについては認めておらず、強い口調で言った、というような範囲でいじめがあったと認定しています」
―なぜ訴訟ではなく和解を選んだのですか?
(今西弁護士)
「訴訟ももちろん検討はいたしました。ただ、やはりご本人さんの状態が、今日ここに来られるのも非常に勇気がいった状態でして、訴訟になった時の尋問等に耐えられるのかというところはこちらも考えざるを得なかった。そういったところで、一定の和解をさせていただくという話になりました」