福島県内では16日、クマによる人身被害が3件発生しました。今年に入ってクマによる人身被害の件数は15件で、過去最多となりました。

16日午後5時までに警察が確認したクマの目撃情報と3件の被害の場所をみると、現場は会津地方に固まっています。この背景には、山での「エサ不足」があることが、県による調査で分かりました。

福島県が10月に発表した、クマの主食であるブナやミズナラなどの実り具合についての調査調査によりますと、今年度、ブナは中通り、会津ともに5段階の評価のうち、下から2番目にあたる「凶作」と判定されました。さらに、会津ではミズナラとコナラについても「凶作」となっています。

この実りの悪さは昨年度を上回るもので、県は「今年の秋はエサを求めてクマが人里近くに多く出没することが予想される」と警鐘を鳴らしています。山にエサがないと、クマは冬眠に備えた栄養を求めて人里近くへ移動してくる恐れがあります。