(記者)「世界的な金の価格の高騰は鹿児島の伝統工芸品にも暗い影を落としています」

国の伝統的工芸品に指定されている川辺仏壇。壁や柱、彫刻部分や金具も金で装飾され、豪華さと堅牢さをあわせ持つ仏壇として、全国から人気を集めています。

(川辺仏壇協同組合 滝山健一理事長)「蒔絵も金粉をまいて金を使って描いている。仏壇1つに金をたくさん使っている」

ひとつの仏壇を仕上げるコストのうち金の占める割合は、50年ほど前は10分の1程度でしたが、今では3分の1ほどに増えているといいます。

(川辺仏壇協同組合 滝山健一理事長)「2年前に(金価格が)1グラム1万円になった時にも相当あわてた。こんな高かったらもう絶対売れなくなるなと」

この10年で価格は倍になり客の買い控えもおきている上、最盛期の1970年代に250社ほどあった製造業者も、今は10分の1ほどの27社に激減しました。

(川辺仏壇協同組合 滝山健一理事長)「金箔を貼る技術、漆を塗る技術、仏壇を作る技術が無くなったら、日本の文化は無くなってしまうんじゃないかと思っている」

後継者不足に加え金の価格高騰に伝統工芸品の現場は頭を悩ませています。